龍泉洞の住人達Resident of RYUSENDO
~歴史を語るものたち~
つらら石
洞窟の天井からぶらさがっている白い鍾乳石を「つらら石」といいます。鍾乳管(ストローとも呼ばれる、まさにストローのような筒状の鍾乳石)の周囲が次第に肥大しながら伸長していくものがほとんどです。 つらら石の断面は木の年輪のようになっているのが普通ですが、これは地下水で運ばれた粘土などが形成途中でつらら石の表面に薄く付着したものです。
洞窟サンゴ
鍾乳洞のいたるところに形成させる小さな粒状の石です。 海のサンゴの形に似ているため、「洞窟サンゴ」と呼ばれています。主に洞壁(洞窟の壁)に多く見られます。
石 筍(せきじゅん)
鍾乳石の先端から落ちてくる水滴に含まれる石灰分が集積し、洞床から「たけのこ」のように上に伸びたものを「石筍(せきじゅん)」といいます。
リムストーン
緩い傾斜を少しずつ少しずつ水が流れると、たくさんの水たまりを形成することがあります。 その様相は棚田の様で、棚田の畦に当たるところをリムストーン、リムストーンに囲まれてできた水たまりをリムストーンプールといいます。 リムストーンプールの深さは小規模のもので数cm、大規模のものでは数mにおよびます。プールの淵を薄く溢れる水から炭酸カルシウムが沈積することによって、その淵に沿って発達するというカラクリです。 龍泉洞では、カワイイ大きさのリムストーンをお楽しみいただけます。
フローストーン
フローストーンは流れ石ともいい、流れ落ちた水に含まれる石灰分が結晶して洞壁を覆ったものです。 年月が作り出した石の造形が、流れる水の様に見える事からこう呼ばれています。
石 柱
下に伸びるつらら石と上に成長する石筍が、長い時間をかけて連結し、柱状になったものを「石柱」と呼んでいます。 こうして徐々に成長する鍾乳石たちは洞穴内の空間を埋めていきます。
~今を生きるものたち~
コウモリ
コウモリは唯一飛ぶことのできる哺乳類です。
果実を食べる種と昆虫を食べる種がありますが、岩手県には後者の種類だけが生息しています。 コウモリがねぐらとして洞穴を利用する場合は、夜に洞穴の外で餌を取り、昼は洞穴内で休むタイプと、夏は昼も森林で暮らし、冬の期間だけ洞穴内で冬眠するタイプの2通りあります。
冬の時期の洞内では、頭を下向きにして天井にぶらさがって冬眠するコウモリがあちこちで見られます。
また、コウモリは耳がよく発達しており、人間が聞き取れない超音波を発し、この反射音で障害物や餌を感知しながら暗闇を飛び回っています。これをエコロケーションといい、この特性により洞穴内でコウモリと人がぶつかるということは滅多にありません。
メナシヨコエビ
メナシヨコエビは色素や目が退化し、地上性の近縁種に比べて触覚などの接触性感覚器官が発達しているのが大きな特徴です。
カビ
洞内には、様々な菌類も発生しています。グアノ(コウモリの糞)から発生したカビなどは洞内の微生物の食糧になっており、洞内の中でも食物連鎖の図式はきちんと完成しているのです。
イワテコメツブトビムシ
トビムシは体長数mmの原始的な昆虫で腹節の下にある跳躍器という器官でジャンプします。 土壌中に生息しているものの一部が洞穴に進出し、洞穴生物の主要なメンバーとなっています。グアノ(コウモリの糞)菌類などを食べます。